一握の



願わくば無上の幸福を…

私たちには容量というモノがある

一度に抱えられる物の数
一度に食べられる物の量
一度に考えられる事の数
一度に覚えられる事の量

それを超えるモノを得ることはできない

手のひらに収まらない水が
器を成す手の淵から流れ落ちるように
その水がただ地に落ちるように

私たちの容量を超えたモノは零れ落ちてゆく

水も
砂も
御馳走も
知識も

幸せも


私たちの容量を超えたモノは
その意味を失いながら落ちてゆく

私たちがより多くを望むほど
失うモノが増えてゆく…


抱えきれないほどなどいらない
そう、この手で握りしめられるだけで

私はこの手に握りしめたそれを
その僅かな幸せを壊さないよう零さないように…

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