あなたが何の悪意もなく
あなたの生きたいように生きるだけで
あなた以外の人間を傷つけるとしたら
それはまるであなたのその手がハサミで出来ているかのように…
あなたはそのハサミを捨てることは出来ない.
わたしがこの手を捨てることが出来ないように
あなたもハサミで出来たその手を捨てることは出来ない.
あなたが誰かを抱きしめようとすればするほど
あなたのその手がその誰かを傷つけていくとして
それを誰が止めることが出来るのだろう.
あなたはその手を憎む.
触れようとするモノを傷つけ
欲するモノほど失っていくその手を.
あなたは自分自身を憎む.
自らの大切な人を…
大切な人ほど傷つけてしまう
そんな手を捨てられない自分自身を.
何も悪くない.
あなたのその手も
あなた自身も
それでもあなたは
傷つけてしまった人を想い
自らを嫌悪するだろう.
そう思うことは仕方の無いことだ.
その事態を引き起こす原因の一端を自らが持つならば
それは自己を嫌悪するに足りる.
でも、それならば
嫌悪するべきはあなただけではない
傷つけられた人々もそれは同じ事なのだ.
あなたはハサミの手を持っている.
それと同じように
私たちはそのハサミで傷ついてしまう身体を持っている.
あなたが触れる人を傷つけるその手を嫌悪するのなら
私はあなたに触れられて傷ついてしまうその身体を嫌悪する.
あなたが自分を悪いと思うことを否定はしない.
けど、あなたがだけが悪いなんて、そんなことはない.
あなたが傷つけてしまったことで感じる罪悪感と同じように
私たちも傷つけられてしまったことに罪悪感を感じる.
本当は誰も悪く何て無いんだろう.
本当の悪は…
そんな悪気のない人の生き方を否定する事なのだと思う.